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CoSTEP国際シンポジウム 日本の“科学技術コミュニケーション”のこれから (第1日目 終了)

CoSTEPシンポジウム 「日本の“科学技術コミュニケーション”のこれから」
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/sympo/index.html
に参加してきました☆


初日の今日は,午後から以下の3氏それぞれの講演と,3人揃ってのパネルディスカッション。

いろいろなことを改めて考える場にもなり,全体として面白かった。
自分にとっての覚書の意味も込めて,シンポジウムの感想や自分の意見を書き出してみます。


【3者に対する感想,意見】

■石村氏
いつもながら,目の付けどころが面白くてユニーク。なかなかとらえどころのない科学コミュニケーションの実践の場で,あれだけ自分の言葉で,新しいものを鋭く切り取りながら整理するのはさすが。今日の話者の中でも一番面白かった。

講演の内容については,,前半の話の導入は,まだ位置づけが曖昧な印象。話の全体像はちょっとつかみにくかった。 ただ,本論として紹介していた具体的なCoSTEPでの実践の試みについては,それぞれの活動の狙いもしっかりと意味付けされ,説得力を持って伝わってきた。

「コンテンツの内容ではなく,それをきっかけにして発生するコミュニケーションそのものを楽しむというコンテンツの消費スタイルの出現(東2007,濱野2008より引用)」

これは,ニコ動やTwitterがイメージしやすい。もう少し大きめなくくりでは,WEB2.0というのも少なからず通じるところがある気がする。(実際は,2.0よりもう少し進んだ,2.5くらいかな。)

このようなコミュニケーションの現状を踏まえると,あるプロジェクトの「目的・目標」などといったものも,プロジェクト実行者自身が自分だけで具体的に設定することの意味が薄れてくることになる。 つまり,大まかな方向性のイメージはできても,実際の影響の波及などは,そのコミュニケーションに加わってくれる人たち次第。 そうなると,あるプロジェクトの成果の評価というものも,(元々の目標が具体的には設定出来ないのだから)困難になって
しまう面も。

そんな気持ちで聞いてたら,終盤に石村さん自身も課題として「効果の検証・評価」を真っ先にあげていた。
うん,納得。 そして,そういう点が課題として残るにしても,石村さんのような整理の仕方は大きな進歩であり,まず大いに評価されるべきものだと思う。一聴衆としても,聞いていて新鮮で興味深い話だった。

(でも,「動作保証範囲」という表現だけは,やっぱり分かりにくかったです><)


■Davis氏
一言で彼のメッセージを表すなら,(少なくとも今日の発言においては)
 storytelling
に尽きると言えそう。

話題を限定してシンプルに語ることを重視するためか,「科学を伝えるときはこのstorytellingが結局もっとも大切なんだ」という言葉に,何度も何度も立ち戻ってた。

僕自身にとっては,例えばMitakaの見せ方を語るときは,「storytellingという面をなにより重視したい」いう想いなので,その意味ではとても共感。 ただし,メッセージのほぼすべてを,実質このstorytellingという1つのキーワードに集約していた形でもあり,ちょっと出し惜しみしてるようにも感じてしまった。もう少し彼の考え方についてより踏み込んだ話を聞きたかったなぁ。そして,言葉とスライドの説明以上に,実例を見せてくれれば楽しかったんじゃないかと思うけど,そういう方法は考えなかったのかな…。


~ちょっと深読み~
1)vegemite sandwitchのくだりは,もしかしたら,あえて日本人とは共通ではない言語を使ってみせたのかな,とちょっと推測。 雰囲気から察するに,来場者の中にはvegemiteのことを知らない人のほうが圧倒的に多く,Davis氏の意図した意味(Aussiesにとって,vegemite sandwitchを差し出すのは,同じ仲間だぜ,と言うに等しいんでしょう)

ちなみに,vegemiteという食べ物,,ペースト状なんだけどちょっと粉っぽさが残ってる様な感じで,しょっぱい味がしたのを覚えてる。 オーストラリアorニュージーランド育ちの人たち以外にとっちゃ,けっして美味いもんじゃない…。

2)ミナサン コンニチハ/アリガト/トテモ サムイ
これは,「あなた達の言葉を,私も使ってますよ」というメッセージも込めてるのかも。^^
テクニックであったのかどうかはともかく,「同じ言葉」を使ってくれる相手に対しては,親近感を持ちやすいのは確かですね。

3)彼のスピーチの中で何度か,通訳をイジる発言があったのは,表向きは「通訳のあなた達がちゃんと訳してるかどうか確かめるため」なんていうジョークのように言っていたけど,実際はむしろ,会場の日本人がどれだけ自分の英語を理解しているのか,リアクション見て確かめたかったんじゃないかな。


■小出氏
話が掘り下げられておらず,正直あまり準備に労力をかけていないように思った。自分自身の考察が,ほとんど見当たらない‥。また,言葉の使い方も重みがない。 
・関数のように表すなら,せめてもう少し議論に耐える形にして欲しい。
・脳の働きやドーパミンのくだり,なぜわざわざ時間をかけて不必要に細かい話まで
 持ち出したのか。聞き手にとって,頑張って聞いてもしょうがない情報にしかなっ
 てない。もっとポイントのみに絞るべき。

考察が浅く,議論のたたき台にできない。 自身の講演内容について,なにが話の軸か,せめてもう少し深く考察し,整理した上で登壇してほしい。

_____________________

「新しい実践の例をいろいろ語りましょう&見据えていきましょう」
というのが,シンポジウム全体としての姿勢,というような雰囲気を感じた。。

そういう場では,「そもそもなぜ科学を伝える必要があるのか」といった話はある程度省略されるのは理解できる気もする。けれど,今日の話を聞いている限りだと,あまりに省略されすぎている,というか,そもそもの科学コミュニケーションの必要性について,ほんとうはあまり考えていないまま,いろんな実践の話をしようとしてしまってるようにも見える。 

それぞれの実践活動の評価をしようとすれば,たぶん結局,そもそもの科学コミュニケーションがなぜ必要だったのか,という点に戻って議論することが必要になるはず。

多くの人が思い思いの前提で発言している「科学コミュニケーションに関する議論」も,まずはこういう「そもそも論」をもう少しじっくり議論して,他の議論を少しずつ積み上げて行けるようにすることを目指すべきなのだと強く感じた。

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しています! 土日,終日大学院の講義で身動きが取れなかった私にとっては貴重な 情報源です. CoSTEP国際シンポジウム 日本の“科学技術コミュニケーション”のこれから (第1日目 終了)(T's Weblog) CoSTEPシンポジウム2日目 (全日程終了)(T's Weblog)

  • 2010/01/25(月) 05:36:58 |
  • Science and Communication

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